10周年企画:NSTCの設立に関わった皆様からのメッセージ
10周年企画記事第三弾は、ニッスイマリン工業(株)の兄弟会社から出向してNSTCの立ち上げにご尽力いただきました、横田哲也元所長補佐・訓練運営部長からの応援記事です。
2011年4月18日 NSTC開所式 右から二番目説明担当者が横田さん
「世界最高品質のトレーニングセンターを目指して!」
横田哲也
本稿のタイトルに記載したフレーズは、NSTC創世期にメンバーと心を一つにするために掲げたビジョンです。
あれから、10年。
訓練品質の継続的向上と、創立から重大事故ゼロで運営している全関係者に、まずはあらためて敬意を表します。
私がNSTCの立ち上げに参画したのは、2010年の事でした。
当時は他社で訓練事業に従事していましたが、日本初の民間訓練施設の設立という事でお声掛けいただき、それまでの経験を活かすべく連日のように準備室のメンバーと議論を重ねました。時には業務後の酒席でも訓練について激論を交わすなど、まさに「訓練バカ」の集まりでしたが、それが2011年4月という時期に開所できた原動力だったのではないかと思います。
開所直後は、まだ認証施設では無かったため、独自の認証で訓練を提供していました。手探りの部分もありましたが、過去に他社で訓練を受講した方々がNSTCに来て「ヘリコプター水中脱出訓練の装置が本格的で驚いた」「フリーフォール式救命艇の実物を初めて見た」など、レベルアップした施設と訓練を高く評価してくださった記憶が蘇ります。
訓練提供と並行して、命題であったOPITO認証取得に向けてメンバー全員で取り組んでいました。通常は数年かけて取得する認証を僅か9か月という短期間で完遂したことは、ビジョンに向かって全員が心を一つにした成果であり、プロジェクトマネジャーとして感謝の一言でした。
その後はOPITO訓練に加え顧客ニーズに合わせたカスタマイズ訓練なども提供し、顧客層を拡大する事ができました。一方で、OPITO訓練に次いで必要性が高い分野を見据えて、STCW訓練の認証取得に挑むことになりました。これについても国内初の試みであり極めて困難な状況でしたが、社内外関係者との連携によりプロジェクト開始から1年弱で認証を取得することができました。
出向元へ帰任する際には、思い入れのあるNSTCと訓練業務から離れる事について非常に心が揺さぶられました。しかし、ビジョンに向かって走り続けるメンバーたちの雄姿が後押しとなり、笑顔で帰任することができました。
離れて感じる事の1つとして、NSTCが提供している訓練は、受講した方を通じ「安全文化」として広まっている事が挙げられます。それは高品質で安全な訓練提供と共に、人と人とのつながりを重視する精神が背景にあるからと感じています。
NSTCおよび受講者はじめ全ての方の安全を祈念し、次の10年に向けたメッセージとさせていただきます。
横田さん、ありがとうございました。横田さんが出向元に帰られてからはや7年以上。あっという間の7年でした。これからも、安全で品質の高い訓練を提供し続けるよう、人と人とのつながりを大切にしながらまた10年、20年と頑張っていきたいと思います。
カッターレースの思い出。左端の漕手が横田さん。NSTCのオリジナルTシャツを着て参戦!
(品質管理部 近江)