メンテナンス日和
いつもは訓練がぎっしり入っているNSTCですが、今週は訓練の入っていない2日間からスタートしました。日々私たちの訓練を忠実に支えてくれている訓練器具のチェックをする絶好の機会です。 特に、救命いかだのような売れっ子で様々な訓練で活躍している器具は、外れてしまったストラップを交換したり、使用頻度が一番高かったものを新替えしたりしました。
手作業で黙々と修理をしているときも、私たちの気持ちは訓練に思いを馳せています。受講者の方との会話を繰り返し思い出しました。訓練センターでは生存すること、そしてそれがほかの人の命をも救うことになることを学びます。ここで問題になるのが、本当に危険に瀕した時に、どの程度を危険な状況までなら仲間を救う行動をとれるのか、ということです。模範解答は、「自分が訓練を受けた程度までの状況において、状況をしっかりと把握して評価し、自身が行動しても安全だと確信した後から行動を起こすべき」、と答えるでしょう。シンプルな答えに思えるかもしれませんが、現実の緊急事態はシミュレーションとは少し異なります。そして、感情が別の反応をしたいと思うかもしれません。そのような時に現実に引き戻してくれる二つの質問があります。「誰が家で自分を待っていてくれるのか?」「ヒーロー的な救助者が一転して犠牲者になることがどれくらい多くあることか?」深いテーマで、たくさんの考えが浮かびます。
そんなこんなを考えながら修理したいかだは、とても良い出来栄えとなりました。みなさんは、どのようなお考えを持っていますか?
(訓練部 ビクター )